茶道思考

「茶道思考」の拠点となる茶室、案安庵を披きました

弊社、株式会社スモールウィンの所在地に八畳間の茶室を作りました。

出来上がったのは4月でしたが、水屋(茶室に続く準備室のような水回りの下手)を整え、控室の空調を新調し、夏ごろから茶室としてようやく機能してまいりました。
これからお客様やお稽古に来る方に少しでも快適に過ごしていただければよいと思っています。

私は、茶道教授者としてお弟子さんにお稽古をつけており、これまでは四畳半の茶室を使っていました。庭には蹲(つくばい:手を洗う場所)も作って露地からも入ることができるものでした。ところが、コロナ禍になり、密にならないことを考えると、四畳半の部屋ではどうしても小さかったのです。

そこで株式会社スモールウィンの所在地の建物に、もともとありました八畳間の一部屋を茶室として改装しました。露地とのつながりがなく、床の間の場所も茶室としては収まりがいい位置とは言い難く、不十分なところもあるのですが、広間であることを優先にして茶室『案安庵』として完成させたものです。

早速、5月には、“リアル茶会”として、作法は知らないけれども何事にも好奇心旺盛なビジネスパーソンの仲間が集まってくれました。
この、リアル茶会という表現もコロナ禍から生まれた言葉です。オンラインでつながった仲間が、茶室で茶道を体験しながらオフ会をすることを楽しみにしていてくれた時に自然と“リアル茶会”という呼び名がつけられました。対面で会えること、初めて茶道に触れることを楽しんでいただきました。

少し前なら茶会はリアルがあたりまえ。茶会だけでなく人が会うことはリアルがあたりまえでした。このリアルに会えることがあたりまえでなくなった時、貴重な体験である”リアル”と”茶会“とを組み合わせてリアル茶会と名付けてくれました。

あたりまえは、ありがとうの反対語だそうです。有難とう(ありがとう)は、漢字からわかるように、常に存在しがたいことを表して貴重な体験に感謝しているととらえられます。リアル茶会を楽しみにして集まっていただけたことは、私としてもたいへん有難いことでした。少しでも安心して集まれる空間として八畳間の茶室を作り、とても良かったと思いました。

さて『案安庵』の名前の由来をお話しします。
茶室が出来上がった時、名前をどうしたものかと考えておりました。師匠やお寺の住職につけていただくものなのかと思案していましたが、自分でつけても良いではないかとのお声をいただき、自分で考えました。

『案安庵』は、アイディアが安らかに生まれる場所との思いです。
“アンアンアン、とっても大好きドラえもん”と、歌にあるところからも引用しました。

ドラえもんの誕生日は、2112年9月3日。今から90年後になります。
今から90年後はどんな社会になっているのでしょうか。90年の間にテクノロジーが発達するとともに、人との関わり方も進化することと推測しています。新規アイディアや閃きが生まれるよう自分と向き合う時間や場所が必要であるとともに、人との関わりも大事と思っています。人の気持ちが汲めるようなドラえもんを作る工学系技術者も、穏やか気持ちになって茶室で一服、お茶を楽しむゆとりが欲しいと願っています。

茶道の考え方がビジネスの大事な考え方と共通することが多いと感じ、ビジネスパーソンの課題解決になる茶道の考え方を『茶道思考』と名付けております。
弊社が提供している茶道思考セミナーの体験の部は、茶室で、お茶を点てる体験をしながら点前の論理的な構成や、もてなし、を実感していただくプログラムになっています。

心豊かな社会となることをビジョンとし、イノベーションを起こす人の背中を押すことを目指している企業として、案安庵を拠点として活動してまいります。

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